情熱的に愛してⅡ
あっと言う間に一列目が終わって、二列目になった。

だんだん、彼の出番が近づいてくる。


「若林秋香です。宜しくお願いします。」

ちょっとお洒落な女の子の次に、彼は立ち上がった。

「門馬雪人です。宜しくお願いします。」


モンマ ユキト ――――――――


それが彼の名前だった。


そして、それに囚われている最中に、自己紹介は終わってしまった。

「はい。それでは、一日でも早く、同期の皆の名前を覚えて、一緒に頑張りましょうね。」

「はい。」

小学校の先生のような私の言葉に、皆が”はい”と返事をする。


頑張らなければいけない。

私がいい加減な教え方をすれば、この新人達が笑われる。

私は、両手をぎゅっと握り締めた。
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