溺愛幼なじみの両片想い
「お、おう……!」
「うれしい!真田くんみたいな『きぃ』」
横で今聞こえるはずのない声。
何故か教室の中まで入ってきてるしぃくん。
昨日みたいに廊下から呼んでくれればいいのに……どうしたんだろう。
みんなも見てるし……
「呼んでんのに、きぃ気付かないから」
「行くよ。」と私の手を握り、歩き出す。
真田くんと話してる最中だったのに、しぃくんに手を握られそのまま出ていってしまった。
教えてくれるって言ってたのに……さすがに失礼だったよなぁ……。
しぃくん、どうしたんだろう……。
いつもは歩幅を合わせてくれてるのに、今はしぃくんのペースで歩いてるから私にとっては少し小走りになってしまう。