不器用な愛情
意識はある。
でも、体を動かせない。
今だって、かろうじてお母さんのいる手元が見えるだけで、首を動かすことはできない。
「お、かあさ、ん」
動かない口と手を一生懸命動かして、お母さんを起こす。
すると、お母さんはうっすらと目を開けた。
ぼんやりとした目で私を見る。
そして、私と目があった途端、飛び起きる。
「玲歌!大丈夫?体、痛くない?」
お母さんのあまりの必死さに、驚いてしまう。
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