不器用な愛情
死ねば良かったな。
そうすれば、私も家族も苦しまなくて済んだのに。
なんで私、生きてるんだろう。
あと、なんでお母さん、こんなに優しいんだろう。
「お、かあさん、なんで、そ、んな、に、優、しいの?私の、こと、きらい、じゃ、ない、の?」
お母さんは、私のことが嫌いなはず。
だって、嫌いじゃなかったらあんなことしないよ。
そう、思ったのに。
「何言ってるの?!私は、あなたを"愛している"わ。だって、私が産んだ子だもの」
そんな言葉が返ってくるなんて、思っていなかったよ。
『愛しているわ』
お母さんの口から、こんな言葉が聞けると思わなかった。