私のニセ王子様
[あおと]
いたって普通の日。
いや、今日は運命の日だ。
「○○中学校から来ました。山本さきです。………」
転校生を見た瞬間。俺の耳には人の話なんて入っていなかった。
俺の頭の中は、転校生で、溢れかえっていた。
見たことがないくらいの美少女だった。
これが一目惚れというものか。
その瞬間ある、重大なことに気がついた。
俺の席の隣に、昨日は無かっただれも座っていない席があるのだ。
(こ、これはもしや……?)
それからというもの、俺の心臓は飛び跳ねまくっていた。
日光に透ける少し茶色がかった髪。
(綺麗だ………)
こんなことは初めてかもしれない。
「俺、倉崎あおと。よ、よろしくね!」
山本さんは、何かを考えているように、めを閉じていた。返事はなかったけど、まあ、いいか……