その花が永遠に咲き続けますように
何を言われるかわからなくて、不安な気持ちが一気に渦巻く。それを聞くのは怖いとも思う。


だけど、ちゃんと話そうとしてくれているのだから、私もちゃんと聞こう。


うん、と答えながら真っ直ぐに彼を見ると、彼は少しだけ笑った。


そして。



「俺……



病気なんだよね」



ドォン……と、その直後に一際大きくて綺麗な花火が上がった……。




「……え?」

最低な聞き間違いをしたのかと思い、思わず聞き返す。

だって、病気、って聞こえた。
永君、そんな雰囲気全然ないのに。


戸惑う私に、彼はゆっくりと言葉を続ける。



「筋肉の病気で、段々と身体が動かせなくなっていくらしいんだ。筋肉を動かす運動神経だけが悪くなっていく病気らしくて」


花火に照らされる彼の表情は、さっきよりは少しだけ優しい。
ずっと言いたかったけど言えなくて、ようやく言えた開放感……なのかもしれないけれど、私の方はさっきから心臓がやたら激しく動いて、変な汗が出てきて、優しく笑うことなんて出来そうにない。



「去年の二月くらいから調子が悪くて、三月に病気が発覚した。今はまだ薬や治療でだましだまし普通の生活が送れてる。でも、年内にはきっと車椅子になるだろうなって感じで」

「車椅子……」
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