その花が永遠に咲き続けますように
「いいんだよ」
「えっ?」
「はは。〝バンド誘っちゃって良かったのかな〟みたいな顔してたから」
心を読まれてる……。何だか恥ずかしい。
「さっきも言ったけど、バンドやるって決めたのはあくまで俺の意思。まあ兄貴はちょっと心配してるみたいだけど」
兄貴……その言葉を聞いた瞬間に洋さんの顔がパッと頭に浮かぶ。
洋さんは、永君がまた音楽をやること、どう思っているのだろうか。
「兄貴はさ、俺が病気になってギターやめた時は特に何も言わなかったんだけど、身体が動かなくなる前にもし音楽をもう一度やるなら、良い思い出として残るような、最高の音楽をしてほしいって思ってたみたい」
「そうなんだ……だから私が音楽素人なことに怪訝そうな顔をしていたんだね」
「うん。ごめんね」
ううん、と私は頭を左右に振る。考え方は人それぞれだけれど、洋さんが永君の為に色々考えていたのはわかる。
「洋さん、五人でバンドやることについては何だって? また難しい顔してた?」
「最初はね。メンバーが皆バンド初心者ばかりだし。だけど、永が決めたことならって、最終的には背中押してくれた。きっと最高の思い出が出来るようにって祈ってくれてるよ」
最高の思い出という言葉に、胸がチクリと痛む。
どんなに楽しくても、永君と一緒に音楽をやれるのは年内まで。
あと、半年。
それまでに、それまでに……。
「咲に言えたから、他の三人にも今度会った時にちゃんと言うよ。病気のこと」
そう話す永君の顔は、病気のことを打ち明けてくれる前よりも少しだけ晴れやかな表情だ。
「えっ?」
「はは。〝バンド誘っちゃって良かったのかな〟みたいな顔してたから」
心を読まれてる……。何だか恥ずかしい。
「さっきも言ったけど、バンドやるって決めたのはあくまで俺の意思。まあ兄貴はちょっと心配してるみたいだけど」
兄貴……その言葉を聞いた瞬間に洋さんの顔がパッと頭に浮かぶ。
洋さんは、永君がまた音楽をやること、どう思っているのだろうか。
「兄貴はさ、俺が病気になってギターやめた時は特に何も言わなかったんだけど、身体が動かなくなる前にもし音楽をもう一度やるなら、良い思い出として残るような、最高の音楽をしてほしいって思ってたみたい」
「そうなんだ……だから私が音楽素人なことに怪訝そうな顔をしていたんだね」
「うん。ごめんね」
ううん、と私は頭を左右に振る。考え方は人それぞれだけれど、洋さんが永君の為に色々考えていたのはわかる。
「洋さん、五人でバンドやることについては何だって? また難しい顔してた?」
「最初はね。メンバーが皆バンド初心者ばかりだし。だけど、永が決めたことならって、最終的には背中押してくれた。きっと最高の思い出が出来るようにって祈ってくれてるよ」
最高の思い出という言葉に、胸がチクリと痛む。
どんなに楽しくても、永君と一緒に音楽をやれるのは年内まで。
あと、半年。
それまでに、それまでに……。
「咲に言えたから、他の三人にも今度会った時にちゃんと言うよ。病気のこと」
そう話す永君の顔は、病気のことを打ち明けてくれる前よりも少しだけ晴れやかな表情だ。