その花が永遠に咲き続けますように
でも、こんなレアなCDを借りられて嬉しいのも事実だ……。
「CD、ありがとう。家に帰ってからゆっくり聴かせてもらうね。……でも、こんなに貴重な物をタダで借りる訳にはいかないよ。何かお礼しないと……」
私がそう口にすると、彼は「うーん」と何か考えるような素振りを見せた後。
「じゃあ、名前教えて」
「え?」
「名前。まだ知らないから、俺の中では君のことは〝鼻歌ガール〟っていうあだ名なんだけど」
「ちょっと! やだ、そんなあだ名!」
名前を教え合って親しい関係になることに躊躇いもあったけれど、そのあだ名があまりに酷かったので、本名を教えることにした。
「私は、サク。相澤 サク」
「咲か。俺はエイ。吉宮 エイ」
エイ、というのは永遠の永と書くのだと、彼が教えてくれた。
だから私も、花が咲くの咲という漢字だと伝えた。
聞けば、永君は同じ高校の、同じ学年の、八組らしい。
八組と言えば英文科コースだ。やっぱり英語が得意なんだなあ。
ちなみに私は普通科の一組で、八組と一組は校舎も授業内容も違うので、普段廊下で擦れ違うことはなかなかなさそう。
その後、CDを確実に返したいから連絡先を教えてもらうことにした。
電話番号でもメールアドレスでも何でも良かったけれど、永君がメッセージアプリのIDを交換しようと言うので、そうすることにした。
何だか気恥ずかしい。こんな風にアプリのIDを誰かと最後に交換したのは、もう大分前のことだ。
「CD、ありがとう。家に帰ってからゆっくり聴かせてもらうね。……でも、こんなに貴重な物をタダで借りる訳にはいかないよ。何かお礼しないと……」
私がそう口にすると、彼は「うーん」と何か考えるような素振りを見せた後。
「じゃあ、名前教えて」
「え?」
「名前。まだ知らないから、俺の中では君のことは〝鼻歌ガール〟っていうあだ名なんだけど」
「ちょっと! やだ、そんなあだ名!」
名前を教え合って親しい関係になることに躊躇いもあったけれど、そのあだ名があまりに酷かったので、本名を教えることにした。
「私は、サク。相澤 サク」
「咲か。俺はエイ。吉宮 エイ」
エイ、というのは永遠の永と書くのだと、彼が教えてくれた。
だから私も、花が咲くの咲という漢字だと伝えた。
聞けば、永君は同じ高校の、同じ学年の、八組らしい。
八組と言えば英文科コースだ。やっぱり英語が得意なんだなあ。
ちなみに私は普通科の一組で、八組と一組は校舎も授業内容も違うので、普段廊下で擦れ違うことはなかなかなさそう。
その後、CDを確実に返したいから連絡先を教えてもらうことにした。
電話番号でもメールアドレスでも何でも良かったけれど、永君がメッセージアプリのIDを交換しようと言うので、そうすることにした。
何だか気恥ずかしい。こんな風にアプリのIDを誰かと最後に交換したのは、もう大分前のことだ。