その花が永遠に咲き続けますように
全力で歌い上げ、何より永君のギターの音を聴きながら歌うのはやっぱり最高に楽しい。


だけどrowdy本人達の前で歌うのはどうしても緊張してしまい、声が若干裏返ってしまった箇所も何回かあったし、ギターに関しては素人丸出し。レイに納得してもらえるほどの演奏が出来たとは……言えない。



演奏が終わった後、ドキドキしながらレイの方をちらりと見ると、彼は一瞬の間の後、くすりと笑い、



「下手くそ」



と言ってきた。



……悔しいけれど、アメリカで大人気のロックバンドのギタリストからしたら、私の演奏なんてそりゃあ下手くそだろう。寧ろこの流れで褒められたらその方が怖い。


だけど、

「レイ! そんな言い方することないじゃない! 何度も言うけど彼女達は普通の高校生なのよ!」

というキリシマさんの言葉にレイは、



「俺は思ったことを言っただけだ。でもまあ、下手くそなのはその女のギターだけで、男のギターと女の歌は悪くなかった」



……と。耳を疑うかのようなことを言ってきた。


永君のギターはともかく、私の歌も褒めてきた?


ぽかんとして、多分凄く間抜けな表情をしながらレイを見つめると、


「悪くないって言っただけで、上手いとは言ってねえからな。……ただ、バンドは上手い下手だけが全てじゃないからな。バンドやるのに大事なものはどうやら持ってそうだ。……よし、決めた」


レイは一層不敵に笑うと、次の瞬間、とんでもないことを言う。



「お前らのバンドーー




俺等の武道館ライブの前座させてやる」





……は?
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