その花が永遠に咲き続けますように
「じゃあ俺、帰るね。今日もバイトだし」

「うん。あ、CDありがとう。返す時に永君に連絡する」

「うん。じゃあね、咲」

彼が自転車に跨って去っていくと、私はその場に一人立ち尽くし、頭の中で色々考えてしまう。


もう傷付きたくないのに、親しい人が出来てしまった。またあんな思いをしないなんて限らないのに。永君が裏切らない人かどうかなんて、わからないのに。


だけどそうやって考えていても答えが出るはずもなく、私はただ、その場に座り込み、彼に借りたCDを胸元でギュッと握り締めた。
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