その花が永遠に咲き続けますように
前座? 武道館で? rowdyの?
理解し難い単語がずらずらと並んでいたから、頭の中で整理しきれてない。


隣にいる永君をちらっと見ると、彼も私と同じように戸惑っているみたいに見える。


だけど、私達何か答えるよりも先にキリシマさんが、



「出来る訳ないでしょ、そんなの‼︎」



と、レイに一喝した。



なんだ、レイの思いつき発言だったのか。そりゃあそうだ。あまりに現実味がなさ過ぎたもの。



「何で出来る訳ねぇんだよ? 日本はそう言うの好きだろ。無名の高校生達と武道館でコラボレーション、みたいなノリ」

「そうかもしれないけど、思いつきでそんなこと言われても無理なの!」するとキリシマさんは今度は私と永君の方を向いて「あなた達もごめんなさいね! 演奏も歌も、高校生にしてはとっても上手で驚いたわ! だけどレイの今の発言は忘れてちょうだい!」と言う。


大丈夫です、わかってます。と答えるしか出来ない。だって実際にそうだから。私達が年内に武道館に立つなんて、それはあまりに夢物語だ。



その後、私と永君と藤先生は今度こそこの部屋を後にすることにした。

部屋を出る直前にレイが言った、


「誰でもいいわけじゃない。こいつらならなんか凄ぇことやってくれそうだから言ったんだ」


という言葉が、やけにいつまでも頭から離れなかったけれどーー。
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