その花が永遠に咲き続けますように
8/17
rowdyと会い、レイと無茶な約束をした日の翌日、いつもの様に部室に集まったメンバー達に、私は一連の報告をした。

勿論、三人共酷く驚いていた。びっくりし過ぎて、しばらく固まっていた。

そもそも三人はrowdyのファンという訳ではないし、存在自体を知ったのもこの間。それなのにいきなり武道館の前座がどうのこうのなんて言われても困ってしまっただろう。


だけど。


「咲は、俺の為にレイと約束してくれたんだ。俺に最高の思い出を作ってやりたいって思ってくれたんだ」


永君がそう言ってくれたら、三人にも〝目標〟が出来たようで、皆で頑張ろうという話になった。



そんな訳で、連日、作曲にも取り掛かっている。

私は当然素人で、藤先生も顧問とは言え、キリシマさんの弟とは言え、作曲経験がある訳ではない。

だけど、白山さんが以前通っていた音楽教室で作曲について学んだ時期があったと言うので、色々教えてもらいながら曲作りに励んでいた。



「大分形になってきたね。凄く良い曲」

私のギターを聴きながら、荻原さんがそう言ってくれる。


「私のアドバイスのお陰よーーと言いたいところだけど、殆ど相澤さんが作ってくれた。悔しいくらいにセンスの塊だわ」


いつも厳しい白山さんがそんな風に褒めてくれるので嬉しく思った。


どんなイメージの曲なの? と武入君に聞かれたから私は


「……イメージは明るい未来、かな」


と答えた。


永君にとって、この先が明るい未来であってほしい。そんな思いを込めてこの曲を作った。
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