その花が永遠に咲き続けますように
8/20
いつも通りの練習後、たまには皆でアイスでも食べに行かない? と白山さんが提案した。今日まで使える割引券があるらしい。
けれど、荻原さんと武入くんは用事があるから行けないとのこと。永君も、この後は病院に行くらしい。
白山さんと、無言で見つめ合う。
私達は、初めて会った時ほどは決して仲は悪くない。今はよく話すし、この間みたいに私の作曲や歌を褒めてくれることもある。私も白山さんのベースはとても上手だと思っているし、彼女の裏表のない性格が好きだという気持ちは変わらない。
けれど。二人きりで遊びに行くことは今までなかったから何となく妙な空気になる。
だけど〝じゃあアイスはやめようか〟というのも変な話だし、割引券も勿体無い。私達は二人でアイスを食べに行くことにした。
その割引券が使えるのは、電車で数駅離れた商店街だけらしい。
電車の中で、特に気まずくなることもなかったけれど、特別話が盛り上がることもなかった。
目的の駅で電車を降りると、商店街は目の前だった。
私は詳しくなかったけれど、最近話題のアイスクリーム店らしく、新味が何種類か登場したばかりというのもあるみたいで、とても賑わっていた。
「相澤さんってさー、こういう所よく来る?」
列に並んでいる時、白山さんにそう聞かれたから「殆ど来ない。だけど、こうやって並んだことはある」と答える。
「それは中学生の時?」
「そう。当時の友達……と思っていた人が、アイス好きだったから」
そう答えながら頭に思い浮かぶのは、いつも必ずピーチのアイスを頼んで美味しそうに食べていた日奈の顔。
そう言えば日奈は、元気だろうか。高校でもいじめ……しているんだろうか?
「忘れな」
けれど、荻原さんと武入くんは用事があるから行けないとのこと。永君も、この後は病院に行くらしい。
白山さんと、無言で見つめ合う。
私達は、初めて会った時ほどは決して仲は悪くない。今はよく話すし、この間みたいに私の作曲や歌を褒めてくれることもある。私も白山さんのベースはとても上手だと思っているし、彼女の裏表のない性格が好きだという気持ちは変わらない。
けれど。二人きりで遊びに行くことは今までなかったから何となく妙な空気になる。
だけど〝じゃあアイスはやめようか〟というのも変な話だし、割引券も勿体無い。私達は二人でアイスを食べに行くことにした。
その割引券が使えるのは、電車で数駅離れた商店街だけらしい。
電車の中で、特に気まずくなることもなかったけれど、特別話が盛り上がることもなかった。
目的の駅で電車を降りると、商店街は目の前だった。
私は詳しくなかったけれど、最近話題のアイスクリーム店らしく、新味が何種類か登場したばかりというのもあるみたいで、とても賑わっていた。
「相澤さんってさー、こういう所よく来る?」
列に並んでいる時、白山さんにそう聞かれたから「殆ど来ない。だけど、こうやって並んだことはある」と答える。
「それは中学生の時?」
「そう。当時の友達……と思っていた人が、アイス好きだったから」
そう答えながら頭に思い浮かぶのは、いつも必ずピーチのアイスを頼んで美味しそうに食べていた日奈の顔。
そう言えば日奈は、元気だろうか。高校でもいじめ……しているんだろうか?
「忘れな」