その花が永遠に咲き続けますように
「……いいんだ。転校してからは何かされることは一切なかったし、その写真はただの脅しの道具であって、実際にはバラ撒くつもりなんてないんだと思う」

「じゃあ……気にしないでもっと堂々と振舞ったらいいんじゃない?」

「……そうしたい。だけど、万が一バラ撒かれたらって思うと、それは出来なくて……」


瑠夏からの返事がない。呆れたかな? と思い彼女の顔を見てみると、今にも泣き出しそうな顔をしていた。


「どうしたの?」

「だって、あんまりじゃん、そんなの……っ」

瑠夏のアイスに、彼女の涙がぽたりと落ちた。
その言葉と涙に、とっても救われた気がした。


「大丈夫だよ。今は、皆がいるから」

実際、皆とバンドを始めてからは、日奈のことを考えることは随分減っていた。

だから本当に大丈夫だ。


「何かあったら私達に言いなさいよ」

瑠夏からのその言葉に、私はうんと答える。


その後、アイスを食べ終えた私達は再び駅に向かって歩き出す。


……その途中で、ふと、とある考えが頭をよぎる。



ーー私、変われてなんていないんじゃない?
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