その花が永遠に咲き続けますように
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作詞は何とか完成した。当初の予定通り、自分のことを変えていき、明るい未来に向かって歩いていく主人公のストーリー。

……でも、書けば書くほど、嘘臭く感じてしまった。書きたいテーマだったはずなのに。


だから、完成してもメンバーの誰にも詞を見せることは出来なかった。


出来ないままーー今日はレイと約束したテストの日だ。



今日は始業式が終わると下校となり、私は一人で電車に乗って、レイに指定されたあのスタジオまで向かう。


今日もこの間と同じA5 studioの中にレイがいて、キリシマさんも一緒だった。



「曲は出来たか?」

開口一番そう尋ねてくるレイに、私はこく、と頷く。


「無駄な時間は嫌いだからな。早速歌ってみろ」

私は先日と同じ位置に立ち、スタンドマイクの前でギターを構える。


この前レイ達の前で歌を披露した時ほどの緊張感はなかったけれど、あの時より自信もなかった。


でも、歌わなきゃ。全力で。ここで合格出来なきゃ、永君に最高の思い出を作ってあげられない。



私は歌った。自分で作った曲に、自分で書いた詞を乗せて。



歌い終えると、部屋に静寂が訪れる。


前みたいに声は裏返らなかったし、落ち着いて歌えたと思う。声量にも問題なかったはずだ。



もしかしたら、いける……?



そして、レイがゆっくりと口を開く。




「期待した俺が馬鹿だったか」
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