その花が永遠に咲き続けますように
放課後部室に行くと、既に三人は先に集まっていた。
そして、私の姿を見るなり武入君が「あっ、咲!」と言って、にこにこ笑顔で何やら嬉しそうに私に駆け寄る。
その手には、何やらピンク色の可愛い封筒を持っている。
「聞いてくれよ! 俺、ラブレターもらっちまった! rowdyの前座の件で俺のこと知って、カッコいいって思ってくれたって!」
「えっ!」
なるほど。身近でも否定的な意見ばかりではなく、そういう風に捉えてもらうこともあるんだ。
武入君があまりにも笑顔だから、何だか私まで嬉しくなってしまう。
「ラブレターなんて、凄いね」
「だろ⁉︎ 俺の時代が来たわ!」
けれどそこに「全然凄くなんてないっての!」と、瑠夏が間に入ってくる。やはりと言うべきか、彼女はとても不機嫌そうな顔をしている。
「何調子乗ってんの? そんなの、rowdyに興味ある女が、rowdyに近付く為にあんたに興味あるフリしてるだけに決まってんじゃん」
「あっ、それ言ったな⁉︎ 俺も薄々そうかもしれないなと思ってはいたけど、それ言ったな⁉︎」
「そうとしか思えないから!」
武入君と瑠夏のそんなやり取りを見て、何だか微笑ましく思える。
ライブ当日まで、あと約一週間。最近は毎日緊張しているし、夜眠れない日もある。だから、こういう〝いつも通りの光景〟に、無性に安心してしまう。
……だけど今日は、心に決めていることがある。
これを実行したら、明日から〝いつも通り〟でいられなくなるかもしれない。
それでも。今の私に必要なことだと思うから。
「……皆、ごめん。本番前の大事な時なのは勿論わかってるんだけど、今日は練習出られない」
そして、私の姿を見るなり武入君が「あっ、咲!」と言って、にこにこ笑顔で何やら嬉しそうに私に駆け寄る。
その手には、何やらピンク色の可愛い封筒を持っている。
「聞いてくれよ! 俺、ラブレターもらっちまった! rowdyの前座の件で俺のこと知って、カッコいいって思ってくれたって!」
「えっ!」
なるほど。身近でも否定的な意見ばかりではなく、そういう風に捉えてもらうこともあるんだ。
武入君があまりにも笑顔だから、何だか私まで嬉しくなってしまう。
「ラブレターなんて、凄いね」
「だろ⁉︎ 俺の時代が来たわ!」
けれどそこに「全然凄くなんてないっての!」と、瑠夏が間に入ってくる。やはりと言うべきか、彼女はとても不機嫌そうな顔をしている。
「何調子乗ってんの? そんなの、rowdyに興味ある女が、rowdyに近付く為にあんたに興味あるフリしてるだけに決まってんじゃん」
「あっ、それ言ったな⁉︎ 俺も薄々そうかもしれないなと思ってはいたけど、それ言ったな⁉︎」
「そうとしか思えないから!」
武入君と瑠夏のそんなやり取りを見て、何だか微笑ましく思える。
ライブ当日まで、あと約一週間。最近は毎日緊張しているし、夜眠れない日もある。だから、こういう〝いつも通りの光景〟に、無性に安心してしまう。
……だけど今日は、心に決めていることがある。
これを実行したら、明日から〝いつも通り〟でいられなくなるかもしれない。
それでも。今の私に必要なことだと思うから。
「……皆、ごめん。本番前の大事な時なのは勿論わかってるんだけど、今日は練習出られない」