その花が永遠に咲き続けますように
「レイって、咲の音楽の才能に目をつけたからここまでしてくれたんだと思ってたし、実際そういう部分もあるだろうけど……もしかしたら
、彼が一番気に掛けていたのは永君だったのかなって思うのよ」

瑠夏の言葉に、永君は「そうか?」と答えるけれど、彼以外の全員が「確かに」と頷いた。


今日の前座の件で色々してくれたのも、私達の為にというよりは永君の為といった方がなんだかしっくりくる。


そして、プロデューサーであるキリシマさんにさえ毒舌が目立つレイが、永君には明らかに優しかったのも、違和感と言えば違和感かもしれない。


「永は何か心当たりないのか?」と武入君が問うけれど、永君は「全くないし、俺を気に掛けてたなんて気のせいだろ?」と答える。


「……あ、でも俺も、ちょっと不思議な感覚みたいなのはあったかな」

「不思議な感覚って何だ?」

「俺さ、藤先生に連れて行かれて初めてrowdyのメンバーにあった時、すげぇ緊張したんだよな。だけど、レイと話した時は何故か緊張しなくて、自分の兄貴と話してるような感覚に近かったかもしれない。昔から知ってるような感じっていうか」

「マジで? もしかして親戚? そういやレイとエイって名前似てるし」

「名前は関係ないだろ。そしてさすがにアメリカ人の親戚もいないし」
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