その花が永遠に咲き続けますように
「何でって……相澤さんと話したことなかったから、仲良くなりたいなーと思って!」


放っておいてほしいという空気が読めない人らしい。
性格的にはとても良い人なんだろうとわかるけれど、こうグイグイ来られるのは私にとっては若干迷惑だ。



「……私は話したくないから」

ハッキリとそう伝えて再び歩き出すと、彼女はもう追い掛けてはこなかったけれど、


「文化祭準備、楽しんでいこうねっ!」


と背後から声を掛けられてしまった。


振り向くことは、しなかった。


そのままあてもなく歩き続け、職員室がある一階の廊下へとやって来た。

すると、職員室横の掲示板に、いくつもの部活の勧誘ポスターが貼られているのを発見し、思わずその前で足を止める。


バスケ部、テニス部、吹奏楽部、演劇部、様々な部活動があるけれど……


「あれ……?」


おかしいな、あの部活がない。



「どうかしたのか?」


背後から、今度は男性に声を掛けられる。担任だった。


「いえ……」と答えるけれど、担任は私の隣に立ち、部活動勧誘のポスターを見上げる。


「相澤は、中学時代は何か部活はやっていたこか?」

「別に……」

「はは、別にってこともないだろう。ちなみに先生はな、去年まで軽音楽部の顧問だったんだ」

担任のその言葉に、私の身体はピクッと反応した。
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