その花が永遠に咲き続けますように
「そう言えば、レイが新曲作ったらしいよ。さっきSNSに載ってた」

部屋に戻ってから永君にそう言うと、


「奇遇だな。俺もだ」


と、得意げな表情で返してくる。



「えっ、ほんと? なんかさ、永君とレイってそういうタイミングがちょくちょく重なるよね。凄い」

「だな。なんなんだろうな?」


二人で笑い合いながら、私は彼のベッドにちょこんと腰掛ける。


正面に彼を見据えて、彼の歌を待つ。



「尊敬する作曲家の新曲をいつでも一番に聴けて、私は幸せだな」

「俺なんか、自分が作った曲を尊敬するシンガーに歌ってもらってるんだぜ。もっと幸せだよ」


そして彼は歌いだす。


まだ歌詞はないけれど、メロディーが私の中でどこまでも響き渡る。


この曲のテーマは、きっと夢。


ほんの少しの勇気一つで、今はまだ小さな夢の蕾は、いつか永遠に咲き続ける。



そんな素敵な歌。




End
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