その花が永遠に咲き続けますように
「咲のクラスは何やるか決まった?」

「あ……お化け喫茶って言ってたかな」

「何それ楽しそう。うちのクラス、普通の喫茶店なんだけど。こりゃあ、お客さんはみんな一組にとられるな」


なんて言いながら楽しそうに笑う彼に、私はやっぱり上手く返事が出来ない。



でも。


「クラスの出し物の準備しつつ、部活動で何か催す人は大変そうだよなぁ」


その言葉には「……永君って、帰宅部?」と返すことが出来た。



「え、そうだよ。ははっ、ていうか今更? 帰宅部じゃなかったらこんな時間に咲と会わないって。咲だって帰宅部だろ?」


う、うん。と返事する。基本的にはどこかの部活動に入らなくてはいけない決まりになっているけれど、入らなかったからと言ってお咎めがある訳ではない。永君はどこかでバイトをしているようだから、部活動をしている時間がないのだろう。


「何で帰宅部なの?」

今度は永君が私にそう質問してきて、思わず「え……」と言葉に詰まる。


人と関わりたくないから、って言うべきかな。それを聞いたら、永君はどう思うだろうか。


誰にどう思われたってどうでもいいと一度は割り切ったはずなのに、いざ親しくなってしまうと、自分の心の内の黒い部分を見せることに躊躇してしまう。


だからつい、「永君は何で帰宅部なの?」と質問を質問で返してしまう。
すると。
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