その花が永遠に咲き続けますように
「んー、やりたいことはあるんだけど、出来そうにないから」

その言葉に、思わずドキッと反応する。


それって、もしかして私と同じ理由なんじゃないだろうか、と。
入部したいと思っていた部が廃部になっていたからなんじゃないだろうか、と。

彼も同じ気持ちを持っているんじゃないかと思わず期待してしまう。


「やりたいことって、何?」

平静を装い、動揺していることを悟られないようにしながら尋ねる。けれど。


「んー? あー、ほら、家でゲームとかしてたいじゃん。だけど部活なんか入ったらゲームが出来なくなるなーって。そういう意味」


……なんだ。全然違った。


そりゃそうだ。たまたま私と同じ考えなんかを持ってる訳がない。



「もしかして咲もゲームやるの? 何か貸してやろうか?」

「……やらないっ。帰る!」

「……何怒ってんの?」

「怒ってないっ!」

明らかに怒っているのに乱暴にそう告げると、私は立ち上がり、彼の方を振り向かないまま駅に向かって歩きだした。


「咲〜、じゃあなー」

その言葉にも、何の反応も示さなかった。


……永君は何も悪くないのに、私が一方的にショックを受けて、怒って逃げ出してきてしまった。


子供みたい。

こんなだから私は駄目なんだ。それはわかってる。


わかってるけど……自分を変えることなんて、口で言うほど簡単じゃないんだよ。
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