その花が永遠に咲き続けますように
「あんたと仲良くなりたいとかじゃないけど、そうやってハナから距離取られるのは、いつもの冷めた態度取られるよりもムカつくのよ! 本音でぶつかり合って大喧嘩した方が何千倍もマシ! 違うの⁉︎」


違うのかと言われても、私は誰かと本音でぶつかり合う気も、喧嘩をする気も一切ない。


何も答えない私に余計にイラッとしたのか、白山さんは更に声を荒げる。


「ほんとは何か言いたいこととか、訴えたいこととかあるんじゃないの⁉︎ 本音を隠して生きてて楽しいの⁉︎」


ーー本音を隠して生きてる。
その言葉が、やけに胸に突き刺さたった。心臓を直接鷲掴みされてるんじゃないかと思うくらいの苦しさを感じる。


どうしてこんな気持ちになるのだろうか。誰とも関わりたくないとか、一人でいることとか、全て私が決めたことなのに。私が望んだことのはずなのに。


それなのに、何でーー。



「何とか言いなさいよ、ねえーー」

「……うるさいなぁ!」


私は、白山さんの言葉を遮って思わず叫んだ。
一瞬、白山さんが驚いて目を丸くさせたのがわかった。その隙に、彼女に背を向けてその場から駆け足で離れた。



ーー私は逃げた。白山さんの言葉が、あまりにもその通りで、胸が苦しくて。



……だとしたら、私は本当は一人で生きてくことを望んでなんかいないということなのだろうか。




『本音を隠して生きてて楽しいの⁉︎』



……楽しい訳ない。



私だって、本当はやりたいことがあった。
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