その花が永遠に咲き続けますように
歌が好きってやつなら、今このスタジオにいる殆どの客がそうだけどな、とまたしても棘のある言い方をされてしまうけれど、
「兄貴、やめろって。実際に聴いてみたらいいじゃん」
永君がそう言って、部屋の中央にあるスタンドマイクの高さを調節する。
「という訳で咲、歌ってみてよ」
「え……」
「兄貴を認めさせるとかは一切考えなくていいよ。仮に認められなくたって俺は咲とバンドやるってもう決めたんだし。だから、何も考えずにただ歌って」
ーー何も考えずに、ただ歌って。
何故だか、凄く安心する言葉だった。
難しく考えなくていい。歌いたいように歌えばいい、歌が好きなら歌えばいいーーそう言ってもらえてる気がしたからだ。
「わかった。何を歌えばいい?」
「何でもいいけど、じゃあrowdyは? 俺も簡単にギターつけるから」
彼の言葉に、コク、と頷く。
rowdyの曲なら何でも歌える。英語の発音は自信ないけど、心を込めて、そして楽しんで歌おう。
色んな曲があるけれど、何を歌おうか。やっぱり、あの曲にしよう。先日、永君から貸してもらったCDの曲ーー【for me】。自分の夢を周囲から反対されながらも、最後まで迷わずにそれを追い続ける主人公の歌。
聴いてすぐに大好きになった歌。
「兄貴、やめろって。実際に聴いてみたらいいじゃん」
永君がそう言って、部屋の中央にあるスタンドマイクの高さを調節する。
「という訳で咲、歌ってみてよ」
「え……」
「兄貴を認めさせるとかは一切考えなくていいよ。仮に認められなくたって俺は咲とバンドやるってもう決めたんだし。だから、何も考えずにただ歌って」
ーー何も考えずに、ただ歌って。
何故だか、凄く安心する言葉だった。
難しく考えなくていい。歌いたいように歌えばいい、歌が好きなら歌えばいいーーそう言ってもらえてる気がしたからだ。
「わかった。何を歌えばいい?」
「何でもいいけど、じゃあrowdyは? 俺も簡単にギターつけるから」
彼の言葉に、コク、と頷く。
rowdyの曲なら何でも歌える。英語の発音は自信ないけど、心を込めて、そして楽しんで歌おう。
色んな曲があるけれど、何を歌おうか。やっぱり、あの曲にしよう。先日、永君から貸してもらったCDの曲ーー【for me】。自分の夢を周囲から反対されながらも、最後まで迷わずにそれを追い続ける主人公の歌。
聴いてすぐに大好きになった歌。