その花が永遠に咲き続けますように
いつもは電車に揺られながら窓越しの景色をぼんやりと見るけれど、今日は窓に目を向けても、外が暗いから自分の顔しか映らなかった。


だからそっと目を瞑り、さっきまでのことをゆっくりと思い出す。


たくさん歌った。楽しかった。永君のギターは上手で、心地良かった。



……それにしても、二ヶ月後の文化祭のステージに立つのか。
たった数時間前まではそんなことになるなんて夢にも思わなかった。


だけど、音楽でステージに立つことは、ずっと憧れていた。


憧れからも夢からも現実からも逃げていた、ついさっきまでの私。

少しは、変われるだろうか。


……でも文化祭では、自分が変わる為だけに歌うんじゃない。


私を誘ってくれた永君の為に、
変わろうとする勇気をくれた彼の為にーー


私らしく歌おう。
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