その花が永遠に咲き続けますように
え……?
思わず、固まってしまった。
だって、当たり前の様に〝次〟があると思っていたから。
「どうして……? あ、私の歌が下手だったから……?」
「それは違う!」
永君が、彼にしては珍しく声を荒げて私の言葉を否定する。
「寧ろ、咲の歌は上手くて、凄くて、俺も本当はまた一緒にステージに立ちたい!」
「じゃあーー」
「でも駄目なんだよ!」
強くそう言われ、私は完全に言葉に詰まってしまった。
彼もすぐにハッとした表情になり「ごめん、大きな声出して」と言う。
もう一緒に演奏出来ないーーそう言われて凄く悲しいけれど、永君自身もとても切なそうな顔をしている。
今後は一緒にステージに立てない、その理由はわからない。だけど。
「……わかった」
私は、精一杯の笑顔で永君を見つめ、
「理由は、もう聞かない。誰にも言いたくないことがあるっていう気持ちは、私にもわかるから」
そう答えた。その時、私の頭の中には日奈にいじめられていた頃の思い出が蘇っていた。出来ることなら誰にも言いたくない思い出だ。
永君にも、そんな深い事情があるのかもしれない。それならば、もう何も聞かない。
「私、これからも歌や音楽を続けていく。だからって訳じゃないんだけど、その……」
「咲?」
「……一緒にバンドをやるのは今日で最後でも、これからも友達でいてくれる?」
そう問うと、彼は丸い目を何度か瞬かせてから、
「そんなの、答えるまでもない」
そう答えて笑ってくれた。それだけで充分だと思った。
その後、今日のステージの感想等を言い合いながら途中まで一緒に帰った。
彼とステージに立つことはもうないけれど、私は今日という日の思い出を一生忘れることはないと思う。
思わず、固まってしまった。
だって、当たり前の様に〝次〟があると思っていたから。
「どうして……? あ、私の歌が下手だったから……?」
「それは違う!」
永君が、彼にしては珍しく声を荒げて私の言葉を否定する。
「寧ろ、咲の歌は上手くて、凄くて、俺も本当はまた一緒にステージに立ちたい!」
「じゃあーー」
「でも駄目なんだよ!」
強くそう言われ、私は完全に言葉に詰まってしまった。
彼もすぐにハッとした表情になり「ごめん、大きな声出して」と言う。
もう一緒に演奏出来ないーーそう言われて凄く悲しいけれど、永君自身もとても切なそうな顔をしている。
今後は一緒にステージに立てない、その理由はわからない。だけど。
「……わかった」
私は、精一杯の笑顔で永君を見つめ、
「理由は、もう聞かない。誰にも言いたくないことがあるっていう気持ちは、私にもわかるから」
そう答えた。その時、私の頭の中には日奈にいじめられていた頃の思い出が蘇っていた。出来ることなら誰にも言いたくない思い出だ。
永君にも、そんな深い事情があるのかもしれない。それならば、もう何も聞かない。
「私、これからも歌や音楽を続けていく。だからって訳じゃないんだけど、その……」
「咲?」
「……一緒にバンドをやるのは今日で最後でも、これからも友達でいてくれる?」
そう問うと、彼は丸い目を何度か瞬かせてから、
「そんなの、答えるまでもない」
そう答えて笑ってくれた。それだけで充分だと思った。
その後、今日のステージの感想等を言い合いながら途中まで一緒に帰った。
彼とステージに立つことはもうないけれど、私は今日という日の思い出を一生忘れることはないと思う。