その花が永遠に咲き続けますように
大人数から質問攻めされるよりはいくらかマシだけれど、何と返答したらいいのかわからなくなってしまうのは変わらず、私は「……ありがとう」とだけ返して教室を出た。
これが、ここ数日のいつもの流れ。
だけど今日は、廊下に出た私を荻原さんが「ねえ、待って待って」と追い掛けてきた。
隣を並んで歩き始めた彼女は、私に「どこ行くの?」と聞いてくるから適当に「トイレ」と答える。
「じゃあ私も行く〜」
「……やっぱり嘘。トイレじゃない」
「え? じゃあどこ行くの?」
「……別に」
素っ気ない返事ばかりしているというのに、荻原さんは微塵も戸惑う様子はなく、ただ隣を歩き続ける。そして。
「ねえ」
突然私の正面に回り込んだ彼女はそのまま足を止め、私は必然的に、彼女と向かい合って立ち止まることになった。
すると彼女は、にっこりと笑いながら明るく言った。
「私も、バンドメンバーに入れてくれない?」
「……へ?」
驚き過ぎて、それが第一声だった。嫌とかじゃなくて、だけど嬉しいとかプラスの感情よりも先に、ただただ驚きが先行した。だって、何の前触れもなかったし。
「私、小学生の頃からずっとエレクトーンやってたの。高校生になったら何か別の新しいことを始めようかと思って、習い事としてのエレクトーンはやめたんだけど、やっぱりエレクトーンも音楽も大好きで、趣味で弾き続けてたんだよね。それでね、文化祭の時に相澤さんのステージを観て、私がやりたいのはこれだ! って思ったの。お願い! キーボードとして私を新メンバーに入れてくれないかなっ?」
これが、ここ数日のいつもの流れ。
だけど今日は、廊下に出た私を荻原さんが「ねえ、待って待って」と追い掛けてきた。
隣を並んで歩き始めた彼女は、私に「どこ行くの?」と聞いてくるから適当に「トイレ」と答える。
「じゃあ私も行く〜」
「……やっぱり嘘。トイレじゃない」
「え? じゃあどこ行くの?」
「……別に」
素っ気ない返事ばかりしているというのに、荻原さんは微塵も戸惑う様子はなく、ただ隣を歩き続ける。そして。
「ねえ」
突然私の正面に回り込んだ彼女はそのまま足を止め、私は必然的に、彼女と向かい合って立ち止まることになった。
すると彼女は、にっこりと笑いながら明るく言った。
「私も、バンドメンバーに入れてくれない?」
「……へ?」
驚き過ぎて、それが第一声だった。嫌とかじゃなくて、だけど嬉しいとかプラスの感情よりも先に、ただただ驚きが先行した。だって、何の前触れもなかったし。
「私、小学生の頃からずっとエレクトーンやってたの。高校生になったら何か別の新しいことを始めようかと思って、習い事としてのエレクトーンはやめたんだけど、やっぱりエレクトーンも音楽も大好きで、趣味で弾き続けてたんだよね。それでね、文化祭の時に相澤さんのステージを観て、私がやりたいのはこれだ! って思ったの。お願い! キーボードとして私を新メンバーに入れてくれないかなっ?」