その花が永遠に咲き続けますように
白山さんが走っていった方向へ向かうと、彼女の後ろ姿が一階へ下りていくのを発見した。俯きがちに歩いていた彼女は、私が「白山さん、待って」と声を掛けると、ハッとした様に一瞬こちらに振り返り、すぐに再び走り出す。
もちろん、私はそれを追い掛ける。
足は私の方が早かったみたいで、後ろから彼女の手首を捕まえることが出来た。
「ちょっ、離してよ!」
「じゃあメモ返して」
多分はたから見たら穏やかではない状況だけれど、幸い辺りに人の気配はない。
「……わかったわよ!」
観念したかのように、私の胸にメモを押し付けてくる白山さんだけれど……彼女のその表情はやっぱり今にも泣き出しそうで……。
「……何で、そんな顔してるの?」
「かっ、関係ないでしょ⁉︎ いいからさっさと大輝に連絡すれば⁉︎ どうせこれからデートとかするんでしょ⁉︎」
「……は?」
デートって。何の話だ。
訳がわからなすぎて、あまりに間抜けな顔をしてしまっていたかもしれない。そんな私の様子を見て、白山さんも「……違うの?」と聞いてくる。
「デートなんてしないよ。武入君とはそんな関係じゃないし……」
「でもそれ、大輝の連絡先でしょ?」
「それはそうだけど、一緒にバンドやろうって誘ってもらって、それの打ち合わせとかする為に教えてもらった連絡先だよ」
もちろん、私はそれを追い掛ける。
足は私の方が早かったみたいで、後ろから彼女の手首を捕まえることが出来た。
「ちょっ、離してよ!」
「じゃあメモ返して」
多分はたから見たら穏やかではない状況だけれど、幸い辺りに人の気配はない。
「……わかったわよ!」
観念したかのように、私の胸にメモを押し付けてくる白山さんだけれど……彼女のその表情はやっぱり今にも泣き出しそうで……。
「……何で、そんな顔してるの?」
「かっ、関係ないでしょ⁉︎ いいからさっさと大輝に連絡すれば⁉︎ どうせこれからデートとかするんでしょ⁉︎」
「……は?」
デートって。何の話だ。
訳がわからなすぎて、あまりに間抜けな顔をしてしまっていたかもしれない。そんな私の様子を見て、白山さんも「……違うの?」と聞いてくる。
「デートなんてしないよ。武入君とはそんな関係じゃないし……」
「でもそれ、大輝の連絡先でしょ?」
「それはそうだけど、一緒にバンドやろうって誘ってもらって、それの打ち合わせとかする為に教えてもらった連絡先だよ」