その花が永遠に咲き続けますように
説明を終えると、白山さんはガックリと肩を落とし、そのまましゃがみ込んでしまった。つられる様に私も腰をおとし、その顔を覗き込んでみると、耳まで真っ赤だ。


「どうしたの?」

「……ごめん、さすがに私が悪かったわ」

「別にいいんだけど……」

「……大輝、昔から歌が上手い子にばっかりアタックしてたから、今回もそうなんだと思って……」

「え? それって……」

「っ、そうよ! 私はアイツが好きなのっ! 幼馴染で、今さら女として見てなんかもらえないってわかってるけどっ!」

「いや、そっちじゃなくて」

「え?」

「歌が上手い子って……もしかして白山さんも、文化祭の日に私のステージ観てくれてたの?」


一瞬の間の後、白山さんの顔が更に赤く染まる。


「バカッ! カマかけたのね⁉︎ 大輝のこと好きだって白状しちゃったじゃない!」

「え、カマかけたつもりはなかったんだけど」

「そうよ、観てたわよ! でも勘違いしないでよね! どこぞのメイドに無理やり引っ張っていかれただけなんだから!」


どこぞのメイド……? あ、荻原さんのことか。


すると白山さんはすくっと立ち上がり、「……大輝をよろしく」と言って私に背を向け、歩きだす。

私もすぐに立ち「待って」と彼女を呼び止めた。
立ち止まった彼女は、肩越しに私を見て不思議そうな顔をしている。
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