その花が永遠に咲き続けますように
「そう言えば、咲の友達の吉宮君、まだ来ないな」

テーブルの上に置かれたポテトの盛り合わせ。その一つをつまみながら武入君が私に言った。

永君が今日ここに来るかもしれないことは三人には伝えてある。
彼がメンバーに加わる可能性があることについて三人は反対しなかったし、寧ろ迎え入れる気持ちでいてくれている。


だけど、ここに来るかどうかは永君の気持ち次第……。



「ていうか、八組の吉宮君ってそもそも何者? 相澤さんの彼氏?」

ストローでコーラを口に含みつつ、白山さんが私にそんなことを聞いてくるから、思わず「か、彼氏じゃないよっ!」と否定する。


彼氏じゃない。だけど……



「……だけど、大事な友達なの」



永君がいなかったら、私は憧れだった音楽のステージに立つことなんて出来なかったし、この三人とこうやって音楽の話をすることもありえなかった。


だから何者にも変えがたい大事な存在。彼と一緒に音楽を奏でたいと心から強く思う……。



その時だった。私の正面に座る武入君と白山さんが、私の後ろを見て「あ」と声を揃える。


何? と思い、私も首だけ後ろに振り返る……と。そこにいたのは。



「よっ」



紛れもなく、永君だった。


制服ではなく、私服と思われる薄緑色のパーカーを着ている。
学ラン姿ではない彼は、いつもと雰囲気が違って見えるけれど、その右肩にはしっかりと……ギターを背負っている。
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