その花が永遠に咲き続けますように

その後、二人で楽しく遊園地を回っていき、気が付けば日が暮れる時間帯になっていた。


「もうこんな時間か。この後花火が上がるみたいだけど、あんまり帰りが遅くなるのもあれだし、帰ろうか」

スマホで時間を見ながら永君がそう言うので、私も「そうだね」と返す。


あれが楽しかったね、これが面白かったね、なんて話しながら、一緒に園の出口まで向かっていく。


今日は凄く楽しかった。友達と遊園地に来たのも初めてだった。中学時代の塞ぎ込んでいた私に教えてあげたいくらいだ。今日こんなに楽しい日だったよって。


……だからかな。


「……永君」

「ん?」

「……やっぱり、花火見て行かない? 私は少し帰りが遅くなっても大丈夫」

私からそんな誘いをしたのが意外だったのか、永君は一瞬だけ少し驚いたような顔をしていたけれど、



「うん。じゃあ見ていこう」



と、いつもより更に明るい笑顔で答えてくれた。
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