不器用なキミ~向日葵の恋~
買いに出かけようとエレベーター降りたところで、ぶつかった女性は美月ちゃんだった

「ごめんなさい……あっ」

「こちらこそすみません……あっ海里さん、渚は?」

「高熱で倒れてて薬飲ませて今は寝てます」

「ありゃ……もっと早く気付けば良かった」

「ずっと調子悪そうでした?」

「うーん……ここんとこハードで、私以上に寝てないから無理がたたったのかなぁ」

「そんなに忙しかったんだ」

「この時期はどうしてもね……喜ばしい話なんですけね。自分たちで作るものですから、どうしても酷使してしまうんです」

「そうですか……あ、僕今から着替え買いに行くので、これ渡しておきますね」

そう言って彼女に鍵を渡そうとしたら

「それだったら着替え私買いに行ってきますよ」

「え……でも」

「サイズ分かってるし、下着も買うんですよ?それでも行かれます?」

「あ……じゃあ……お願いします」

「はい!じゃあしばしお待ちを」

「……気を付けて」

「はいはーーい」

ニコリと笑ってマンションを後にした美月ちゃんを見送り、また彼女の部屋に戻った。
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