不器用なキミ~向日葵の恋~
「まだ熱あるね」

「……」

「まだ7時か……後で病院行こうね」

「……え、でも、仕事行かなきゃ」

「はぁ?」

「もう大丈夫だから!ほらっこんなに元気!」

そう言ってベッドから降り、張り切って屈伸運動なんかしてみて元気さをアピールしたつもりが、足元がふらついて床に座り込んでしまって

「あれ?」

「そりゃそうだよ。まだ熱あるんだから」

「……」

あれ、昨日より全然楽なんだけど、おかしいな。

それに仕事休んでる場合じゃないんだけど。

彼に引き上げられてベッドに寝かせられ

「後で病院行くから。仕事復帰は、お医者さんの許可が下りてからね。その間に、はい着替えて?」

そう言って渡された服は新しい服ばっかりで、きっと美月が買ってくれたんだと思った。

だって美月ちゃん、この部屋着派手すぎるよ。

なぜ赤なんだ?

「着替えた?」

「……うん」

「おかゆ作ったから食べて薬飲んで」

「……ありがとう」

言われた通り少し食べて薬飲んだらまたすぐに意識を失った。
< 110 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop