不器用なキミ~向日葵の恋~
部屋に人を入れなくなったのはお店を始めた頃から。

もともとシンプルが好きで、ごちゃごちゃした雑貨を置くのはあまり好きではない。

だけど美月とお店をするようになってから、美月の作品だけは好きだから置きたくなった。

だから掃除が楽なように、ガラス扉の棚を買ってそこにまとめて置いてあるだけで他には何も無い。

お店が軌道に乗り出すと忙しさは増す一方で、身体が慣れてくると新規開拓もしなければならず、会社に勤めてない私たちには何の保障もない。

自分たちが働かなければお店は潰れてしまう。だけど仕方がないと言うよりも、どちらかというとそれすらも楽しんでた。

だけど部屋に帰るのはいつも夜中で、寝に帰るだけの部屋には余計な物はさらに置かなくなっていった。

掃除すらもめんどくさいから、本当に必要な物だけでよかった。ロボット掃除機の邪魔になるような物はいらない。

だけどそれは他人から見れば異様に感じるらしく、家に来た友達や彼氏たちは口を揃えて言った。



男の部屋よりひどいな

なんだこの部屋?

お前、女か?

落ち着かなーい

これで料理どうするの?

何も出来ないじゃんこの部屋



別に傷つくわけではないけれど、決して良い方で言われてないのだから、良い気はしない。
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