不器用なキミ~向日葵の恋~
「……え?」

「バカよね?バカじゃなきゃ何度も何度もこんなことにはならないもんね?」

「……へ?」

何だか物凄ーーーーく怒ってる。

「毎回毎回忙しくなる度、恋愛する度、倒れるまで無理するなんてバカでしょ。いい大人がなんで自分で管理できないの」

「……はい……ごめんなさい」

「いっつもいっつも」

「……はい」

ブツブツ言われてるんだけど……顔が緩む。

「ニヤニヤするな」

「……うん……ごめん」

美月の説教久しぶりだな。

美月に叱られると何か嬉しくなる。

付き合いが長いからか美月は必要以上に入ってこない。ちゃんと私の事を見てくれていて、ある程度まで入ってくるけど後は私を待っていてくれる。

勝手に私の領域にズカズカ入ってこないから、安心して美月にだけはさらけ出せる。

美月に甘えてばかりで申し訳ないとは思うけど、店の為ならはっきり言って自分の身体なんてどうでもいい。

最優先はお店なんだから。

結局、話し合った結果、今月いっぱいで教室は夏まで休むことにして、ひたすらオーダーの商品を遅れた分取り戻すために工房にこもって編みまくった。

ただ、ずっと気になってたのは海里からの連絡だった。
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