不器用なキミ~向日葵の恋~
いや、彼女に普通は通じない。

彼女は家に癒しなんていらないのか、寝れる場所それさえあればいらないってことか、あの部屋が彼女にとっては落ち着く場所なのか。

でも、部屋だけじゃないトイレだってバスルームだって何もなかった。

トイレなんてマットもカバーも無かった。

あるのはトイレットペーパーと掃除用のブラシと洗剤だけ芳香剤すらなかった。

バスルームもタオル系は全て収納されてるみたいで、あるのは籠のみマットすら無かった。

そう言えば彼女の家にはマットと言うものが無かった。

キッチンにも玄関にも……どうしてそこまで何も置かないのだろう。

ひょっとしてなんか過去にあった?

普通が通用しない彼女だから、これが変なのかさえわからなくなってきた。

モヤモヤしてきたから屋上にあがってタバコに火を点けたんだ。

「寒くなったな」

季節はすっかり冬だ。

これからもっと彼女は忙しくなるんだよな?

また僕に会う為に時間割くのだろうか……なんて、モヤモヤしてても仕方ない。

そう思った僕はスマホを取り出した。
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