不器用なキミ~向日葵の恋~
第7章 足りない言葉

海里side

彼女の口から聞けた話は正直驚いた。

ただし違う意味での驚きだった。

何かもっと暗い過去があったのか、もしくは何か潔癖症みたいな精神的なものがあると思っていたから。

実際はそうではなく、今まで関わった人たちが彼女を理解せずに、自分を押しつけてきた挙句の拒否反応だと分かったから。

だから内心それだけかとホッとしたと言った方が近かった。

ただ何気なく言った、彼女の言葉が俺を不安にさせた。

だってあれは彼女の本当の気持ちだからだ。





あれから2カ月は過ぎただろうか……。

彼女の仕事は多忙を極め、倒れる訳にはいかないとなるべく会う回数も減らしたんだ。

僕も彼女の体調が心配だったから我慢した。

だけど年末年始は実家に帰る僕からすれば、クリスマスくらいはゆっくり会っても良いんじゃないかと思う気持ちもスルーされ、彼女がクリスマス前に僕に作ってくれた時間は2時間ちょっとだった。

イブもクリスマスもイベントがあるからと言う理由で会えなかった。
< 126 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop