不器用なキミ~向日葵の恋~
どうしても好かれてるなんて思えなかった。

僕の言葉に、彼女は何も言わず紙袋とケーキの箱を置いて帰ろうとした。

僕に背を向けたまま。

「ごめんね」

寂しそうにそう言って……。

そんな言葉が聞きたいんじゃない。

「他になんかいう事ないの?」

「……誕生日、おめでとう…………ごめんね」

そう言って彼女が僕を見ることはなかった。

謝罪されたいわけじゃないのに、どうして彼女は僕を見てくれないんだ……。
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