不器用なキミ～向日葵の恋～
「普段は何も話しません。ただ一度だけあの子には珍しく記憶がなくなるまで酔っぱらった日があったんです」

「……はい」

「酔っぱらって、怖いって言うんです」

「怖い？」

「何が怖いのか聞いてもただ怖いって……そのうち寝てしまって……しばらくして、ある日から今まで以上に仕事するようになったんです」

「……」

「まるで自分を追い込むように仕事してる。少しの空いた時間も作らないようにしてるみたいに」

「……」

「きっと何かあったんだろうと……何が怖いのかわかりませんけど、聞いてあげてもらえないでしょうか？」

「……」

「もし海里さんにまだ気持ちがあるのなら……このままあんな仕事してたらあの子はまた……」

「……一応そのつもり来たんです。ちゃんと話そうって、僕に話してくれるかどうか分かりませんけど」

「……お願いします」

そう言って彼女は僕に深々と頭を下げるもんだから、慌てて頭を下げたら二人で何してるのかと笑った。

渚が帰ってくるまで、美月ちゃんと色んな話をした。
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