不器用なキミ～向日葵の恋～
美月ちゃんが彼女の事を色々教えてくれたんだ。

それは、まるで僕の不安を取り除くようにも思えた。

そして僕は全く彼女の事を理解していなかった事をこの時初めて知ったんだ。

僕に何でも話すのは彼女なりの甘えで、一方的に自分はこうだと理解して欲しいと言ってくるのは、僕の事を信用してるからなんだと。

信用してない人間に、彼女は自分の事を語ろうとしないって事を。

ただ何も話さず背を向け拒絶するだけだって事を、教えてもらうまで分からなかったんだ。

そして優先順位の話も美月ちゃんは笑って言うんだ。

「だって海里さんは渚の２番目でしょ？」

って、私はその優先順位にも入っていない。

それは少し違うような気もしたけど、でも美月ちゃんの言葉で気付いたんだ。

彼女の優先順位の重さを、２番目の重さも。

そしてそんな彼女の気持ちも知らずに、僕は自分から背を向けたんだ。

彼女に信じて不安にならないでと言われていたのに。

そして渚は仕事に逃げたんだ。

それは彼女にとって拒絶を意味してるなんて知らずに。

だけど今回は今までと違って、酷いらしい。

それほど僕を信用してたから。

美月ちゃんと話してて気付くなんて僕はどんだけバカなんだ。

そんな時だった彼女が帰って来たのは……。
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