不器用なキミ~向日葵の恋~
「なんでって言われても」

「童顔でもないでしょ?」

「うーん。なんとなく」

上手く誤魔化せただろうか。

「まぁ良いんだけどさ?」

それからいろんな話をしたんだ。

彼女が今のお店を開いた経緯とか、この間のお友達とやってる事とか、僕の仕事の話とかとにかく色んな話をしたんだ。

話してる時の仕草とか、笑顔とか、悩んでる顔とか、見てるとやっぱり彼女を好きになってたんだと気付いたんだ。

今日このままここで別れたとしても次に会える保証はどこにもない。

どっちにしても言わなければ、きっと後で後悔しそうな気がしたから聞いてみたんだ。

「なんで来てくれたの?」

「え?」

「お茶誘って……なんで来てくれたの?」

「あー……えっと……」

「……?」

「今日お店に来てくれたから」

「うん」

「だから……」

「だから?」

「だから…………なんでだろう?」

「へ?」

氷をカランと鳴らしながら、彼女はお茶目に笑っていた。
< 31 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop