不器用なキミ~向日葵の恋~
「……なんでかな?嫌じゃなかったから?」

「……そっか」

「ごめんなさい……分かんない」

考えた結果、出た言葉は分からない。

だけどその表情から察するに、本当に分からないんだろう。

「ふっ」

なんか真面目に考えるのも馬鹿らしくなって、嫌じゃないなら良いかと思ったら笑ってしまった。

彼女は恥ずかしそうにしながらも笑っていた。

「ねぇ今度は夜、ご飯行こう?」

「あ、うん」

「じゃ電話教えてくれる?」

「あ……うん」

自然と誘ってしまったからか、彼女もスッと教えてくれて、次の約束が出来た事に飛び上がりそうな程嬉しかった。

結局、その日は番号を交換して別れたんだ。

きっと僕の事嫌だったら電話も教えてくれないはずだし、ご飯誘っても断るはずだから、焦らずゆっくり誘う事にしたんだ。

だって彼女の本心は見えないままだから。
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