不器用なキミ~向日葵の恋~
歩きながら名前を教え合う私たちは、どんな関係になるのかな?

知り合いと呼ぶのはちょっと違うし、顔見知りと言うのもちょっと違う。

お客様と店員……それが一番しっくりかも。

カフェに入ると年齢の話になった。

正直年上か年下かと聞かれたら、分からなかった。

ただ彼の読みは妥当だった。

店をやってるから年下じゃない。でもそれを知らなければ年下だと思っていたと言う。

まぁ別に年齢に固執することもないんだけど、年下に見られがちな私は年相応に見られたかった。

その後も色んな話をした。自分の事も彼の事も、どんどん話すうちに凄く人なつっこい人なんだと思った。

なんか男性なんだけど可愛らしい感じの人だった。

彼との出会いは不思議だった。

色んな人が居て、色んな人間でこの世は成り立っていて、世界で何十億という人間の中から、こんな出会い方をしてる私たちが、今こうしてる状況が何とも不思議に思えた。

そんな事を考えながら、彼と話をしていると突如聞かれた事が“何で来てくれたのか?”改めてそう聞かれると困ってしまった。
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