不器用なキミ~向日葵の恋~
本屋さんに立ち寄って、お店の参考になるような本や雑誌を何十冊も買うと重くて、紙袋に入れて貰ったは良いけど余計に手が痛いような気がする。

エレベーターで降りると、いつの間にか、外は土砂降りになっていた。

「……マジか」

さっきまでと言うか今日一滴も降っていないのに、今になって雨が降る?

しかもゲリラ豪雨って……。

いつもいつも遅いと怒ってる美月が降らせた怒りの雨だと思ったらそれはそれで笑える。

「……ふふ」

まぁゲリラ豪雨ならすぐに止むだろうと、このまま入口だけどここで待ってみようか。

他の人は地下街に消えていくが、私は向かいのパーキングに車を停めているから地下に行ったとしても、パーキングにはたどり着けない。

ゲリラ豪雨の凄まじい雨粒の跳ね返りを、壁に凭れてぼんやりと眺めていた。

「うわっ雨じゃん……マジか」

後ろの方から男の人の声がした。

みんな同じ事言うんだな……そんな事を思っていると後ろから衝撃が来た。

その拍子に、手に持っていた紙袋がちぎれて中身が落ちてしまった。
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