不器用なキミ~向日葵の恋~

海里side

名前を呼び捨てにしてくれない事が、なんでこんなに僕を暗くさせるのかは分かってる。

もし彼女が僕の名前を“海里”と呼んでくれたのなら、次に会える可能性があるからだ。

“海里さん”なら、今日で終わってしまう確率の方が高いから。

だからずっと考えてたんだ。

どうやって次、誘うかを。

今日このまま終わって、また時間出来たら電話して誘うなんて事は出来ない。

だって次はもう会ってくれない気がしたから。

今日、彼女が一緒に居て楽しくなかったのなら、もう二度と電話には出てくれないと思うから。

そんな事をずっと考えてると、空気を悪くしてしまったようで、彼女は凄く居心地が悪かったみたいではっきり言われた。

どうしようもない空気に包まれた時、マスターが空気を変えてくれた……そして彼女も……。

なんだかその彼女の行動が嬉しかった。

僕を笑顔にしようとしてくれたから。
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