不器用なキミ~向日葵の恋~
きっと彼女は僕がどうではなく自分がどう思ってるかを隠さず言う人だと思った。

だから僕も自分の気持ちを隠さず素直に言おうと思った。

下手な駆け引きは彼女には必要ない。

そんな気がしたから。

そして自分の気持ちを伝えたると、口をポカーンと開けたまま数十秒……。

確かにいきなりで吃驚したとは思うけど、そんなに?

なんか、言うタイミング間違えたっぽい?

今さら思いを告げた事を後悔した挙句、この場を逃げようとした。

なんか僕、最低だな……なんでこんな情けない……ほんっと嫌になる。

だけど彼女は違ったんだ。

なんだか彼女のとった行動は凄く男らしく思えた。

マスターからの厚意のビールをぐいぐい飲んで、腹割って話そうかと言わんばかりに、僕の方を真っ直ぐに見て話し出す彼女の言葉を黙って聞いていた。
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