不器用なキミ~向日葵の恋~
結局、彼女を誘って分かったことは好き嫌いがはっきりしていて、やっぱり嘘をつかない人だった。

正直に言い過ぎて驚くぐらいで、でも、僕の事は本当に嫌いではないみたいだった。

誘えば必ず時間を作ってくれて、提案したデート内容が断られても、必ず代替えを提案して二人が合意の場所へ行った。

彼女が包み隠さず何でも言ってくれるおかげで、彼女がどう思ってるのかを探る必要が無いデートは僕には新鮮で凄く楽だった。

僕も飾らず格好つけずに、自然と素の自分を出せてたと思うから。

そして少し肌寒くなった頃、彼女から初めて電話がかかってきたんだ。

「もしもし」

「はい」

「今、大丈夫?」

「どうしたの?電話なんて初めてだね」

「あ、そっか……え?そうだっけ?」

「ふふっそうだよ」

「そっか……」

「んで?どうしたの?」

「あのね?次の日曜空いてる?」

「ちょっと待ってね」

僕は授業スケジュールだけを確認した。
< 65 / 151 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop