不器用なキミ~向日葵の恋~
「……海里。お腹空いたからご飯いこ?」

「ちゃんと呼べるじゃん渚」

そう言いながら、彼女のほっぺたをつんつんしてみたら笑ってた……。

「渚?」

「うん」

嬉しそうに笑う渚を見てほっとした。

ずっと心の中で渚って呼んでた僕には簡単だったから。

こんな事も幸せで、僕の頬は緩みっぱなしだったと思う。

埠頭近くのお店でご飯を食べてると、真面目な顔して彼女が話し出したんだ。

「海里、あのね?私ね?あんまり自分から言えないんだ」

「何が?」

「海里はさ?結構言うでしょ?」

「だから何が?」

「好きとか……色々」

「色々?」

「うん……なんて言うのかな……愛情表現結構する方でしょ?」

「そうかもね」

普通と思ってたけど友達曰くそうらしいし、彼女も言うって事はそうなんだろう。
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