不器用なキミ~向日葵の恋~
「だけどね、私苦手なんだ。だからたぶんこの先、あんまり言えないと思う」

「そうなんだ」

「……だけどね?言わなくても……好きだから」

「……うん」

「嘘はつかない約束するから」

「知ってる」

「信じて?不安にならないで欲しい」

「分かった」

なんだそんな事……。

「おねだりしたら言ってくれる?」

「……頑張る」

「なら大丈夫」

僕、凄く愛されてるじゃん。

ダメだ嬉しすぎて顔が緩む。

その夜は初めて彼女をマンションの下まで送り届けて、家に着いた時にはもう日が変わっていた。

寝る前に思う事は、やっぱり彼女みたいな女性は初めてだった。

こんな事を言われたのは初めてだ。

これから彼女と付き合っていく事が、あんなにも僕を悩ませ、彼女が言ってた言葉の本当の意味が、幸せいっぱいのこの時の僕には、何も理解出来てなかったんだ。
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