不器用なキミ~向日葵の恋~
「ついついあれもこれも買ってしまう癖があって、表紙とか気になるのあったら買ってしまうんですよね」

「あーそれ少し分かる気がします」

「ですよね?だから読んでない本もたまに残ってたりして」

「ふふふっ」

クスクス笑ってる彼はそんな事は無いみたい。

なんで私は見ず知らずの人にこんなに話してるんだと、反省しつつ表の方に視線を向けると

「あっ小雨になってきましたね」

「あーほんとですね」

「これならもう行けるかな?」

外に向けていた視線を隣に立つ彼に向けると、背の高い彼は何故か照れくさそうに笑っていた。

少しその笑い方が気になりつつも、思い出したのは美月の家に行かなきゃならない事だった。

「あのっこれ、ありがとうございます」

「えっあっはい」

「じゃ、おやすみなさい」

「はい……おやすみって……なさい」

帰ろうと思って挨拶すると、一瞬固まったと思ったら、またクスクス笑いながら手を振っていた。

私は頭を下げ紙袋を胸に抱き、車までダッシュした。
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