不器用なキミ~向日葵の恋~
食事を終え一緒に洗い物をしていると、後ろから腰に巻きついてくる彼の腕がくすぐったい。

「どうしたの?」

「ん、なんかね……洗い物はするんだ?」

「掃除の方が好きかなぁ……料理は苦手」

「そっか」

「部屋は綺麗なんだけどね?キッチンは何もないから、この前はコンロに埃かぶってた」

「ほんとに?」

「美月にありえないってぶつぶつ言われたわ」

「美月ちゃんは料理するんだ」

「うん。美月はご飯もお菓子も上手なの」

「そっか。でも渚は渚でいいじゃん」

「……え」

「ここにいるよ?そんな渚が良いって言ってる人」

「変わってるね?」

そう言って笑ってると、身体の向きを変えられて彼の腕の中に包まれた。

「大好きだよ」

「……ありがと」

急に言われると恥ずかしくなって、熱を持った顔を隠すように彼の胸に顔を埋めた。
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